Medi-Compass Club 株式会社 東京丸の内ベストドクターズサービス内
〒102-0073 東京都千代田区九段北4丁目3-26
TEL.03-3239-7852

 
 Top >> インフォメーション>>特集企画 >> 2.メディコンパスセミナー・レポート/陽子線治療とは  
◎医療と健康の“いま”を知る
No.2/2008.5
メディコンパスセミナー・レポート(第1部)
究極のがん治療法―陽子線治療とは?
渡邉 一夫 先生
(メディコンパスクラブ理事長・南東北グループ理事長) 
治療法の進歩とともに、不治の病ではなくなりました。けれども、がんが見つかると5年間で約半分の方が亡くなってしまいます。未だ日本人の国民病とも言われるがん。医療の最前線でがんの早期発見と早期治療に力をつくす南東北グループ理事長・渡邉一夫先生が語る注目のがん治療―陽子線治療についての講演から。


 

総合南東北病院(郡山市)・PETがんドック宿泊ルームの一例。天然温泉も利用でき、隣接する施設にはPET機器5台(うちPET-CT2台)が備えられている。

陽子線治療の関連ページ
>>陽子線治療

がんとその治療法をめぐって

日本人は1年間に65万人が毎年がんになります。そのうち半分ががんで亡くなる。偉くてもリスクは平等です。がんの死因で一番多いのが肺がんです。胃がんになる人は多くても、亡くなる率は減ってきています。大腸がんも増えています。女性の場合は大腸がんで亡くなる方が多い。
がんの治療はまず、外科的な手術が1番。2番目は化学療法。抗がん剤です。3番目は放射線治療。今は7から8割は外科的にがんをとる。放射線治療は2から3割です。ところが、欧米で多い治療法は放射線治療で、7から8割です。ただし、ぼんやりとX線をあてるのではなく、虫眼鏡で光を集めるように、放射線を一点に集中させて、正常細胞に影響を与えない。ガンマナイフはそうした治療装置で、私たちも備えています。頭に関しては大変優れています。
10月から私たちが始める陽子線治療は、こうした放射線治療の究極のものです。陽子線は水素の原子核から電子を外したもので、それを1億個集め、光の速さの70%まで加速して病巣にぶつける。がんだけを狙い撃ちできるんですね。がんは細胞の突然変異と考えられ、老化とともに細胞の制御が効きにくくなるので、勝手に増えてしまう。原因は遺伝子の傷と言われています。そのうちに宿主まで殺してしまうわけですね。がんは早い段階で小さいうちに見つけることが大切です。そうすればそこだけ退治すれば治るんです。
陽子線治療は切れ味のいい外科医のメスのような能力がある。これまでのX線は体の浅いところに一番強い放射線があたっていた。表面の細胞が壊れます。放射線が通ったところの正常細胞も影響を受ける。食道がんの場合は心臓もやられるんですね。肺も。副作用がある。それが陽子線だとなくなります。1人2分程度の照射です。

最高のがん検査と治療の提供

国内の陽子線の治療施設はすべて国公立の研究施設です。私たちは世界で初めての民間病院として、研究もやりますが、臨床を第一に考えて治療に役立てていきたい。この会場には経済人の方も多くいらっしゃいますから、経営的なお話にも触れますと、機械は40から50億円、土地や建物まで含めて100億円くらいかかる。
治療費は300万円です。アメリカだと1000万円を超えます。ですから、外国の方が日本に陽子線治療を受けにやってくるようになります。残念ながら、健康保険がききません。民間の任意保険で、先進医療の保険はあります。入ったほうがいいですね。300万円は1回の金額ではなく、一連の治療料金です。病気によって、5回照射するという人もいますし、20回の人もいます。
金額の根拠は、がんで亡くなるまでの治療費が600万円くらいかかるケースが多いと言われていて、早く見つけて治療すると100万円くらい。平均で300万円。柏市の国立がんセンターが算出した値段です。
さて、がん治療には陽子線治療装置だけではだめです。PET(ペット)も必要ですし、CTも、MRIも、治療計画も必要です。郡山市の総合南東北病院には3・0T(テスラ)の最高のMRIがありますが、そうした検査機器も当然完備しています。
陽子線治療で私が狙っているのは悪性脳腫です。世界でも、頭の陽子線治療はあまりやっていないのですが、それは陽子線が最新のテクノロジーだから、臨床の数や応用がまだ少ないという意味です。けれども、これからの可能性は大きいのです。
がんは早く見つかれば治療して治せますから、早く見つけることです。そのためにはPET検査を軸にしたがんドックが一番いい。もちろん100%ではないけれども、限りなく100%に近くなる。私たちはこうした最新の医療をご提供することで、皆さんの健康な暮らしを維持するお手伝いができるのではないかと考えています。

 

 
 

南東北がん陽子線治療センターオフィシャルサイト>>click


No.2/2008.5
メディコンパスセミナー・レポート(第2部)
がん、第4の治療法をめぐって
免疫細胞療法と温熱療法について
照沼 裕
先生(東京クリニック丸の内オアゾ副院長 免疫温熱療法科) 

がんにならないようにするにはどうすればいいか。
仮にがんになっても、がんと共存しながら長生きするにはどうすればいいか。
がんの第4の治療法として注目される免疫細胞療法や温熱療法のメカニズムと治療の実際について、第一人者が語った講演のダイジェスト
(写真右は保険診療の扱いとなる温熱療法、ハイパーサーミア)


照沼 裕(てるぬま・ひろし)
東京クリニック丸の内オアゾ副院長
(専門/免疫療法・温熱療法)
東北大学大学院医学研究科博士課程修了後、同医学部病態神経学講座助手に就任、1990年には米国ウィスター研究所でウィルス学、免疫学の共同研究を行ない、1992年米国マイアミ大学医学部助教授に就任、1995年には国際協力事業団ザンビア感染症プロジェクトに長期専門家として派遣。その後、山梨医科大学講師等を経て現職。郡山市の総合南東北病院でも診療にあたっている。

 

左・治療前/2004.12.16
右・治療経過/2005.4.26

免疫温熱療法治療前との比較
(原発性肺がん/61歳・女性)

 

 

 

左・2007.7.3
右・2007.11.13

温熱化学免疫細胞療法
小細胞肺癌、縦隔リンパ節転移
(75歳・男性 PET画像)

2007年5月に声のかすれにて発症。生検にて小細胞肺癌と診断。生来、白血数・血小板数が低く、標準量の抗がん剤治療は望まず、免疫細胞療法(NK細胞の月2回、DC反応性CTLの月1回)、低用量化学療法(塩酸イリノテカン40mg・シスプラチン20mgの週1回を3投1休の点滴)、温熱療法(サーモトロンRF8での胸部への局所ハイパーサーミアの週1回)というQOLを維持した外来通院治療で、11月には嗄声は消失。良性耳下腺腫瘍も経過観察中。

関連ページ
>>照沼先生による講演テーマレジュメ

 

がんと免疫の関係

がんは早期発見が大切ですが、最高のPETがん検査でも、1センチ近くに成長しないとなかなか発見できません。それでは、早期発見とは別の、何か新しいがん対策はないのでしょうか。そのひとつの方法として免疫を使った予防や治療が考えられています。
私たちの体の中では毎日6千個ものがん細胞ができ続けています。けれども、それらがすべて大きくなるわけではありません。免疫の力が、がんの成長を抑えてくれているのです。そうした免疫の力を高めることで、がんを抑え込むことはできないか。免疫学の発展と臨床研究が進み、こうした考え方が、がんの予防や治療にも応用されてきています。
ところがまだ、通常のドックですと、自分の免疫力がどのくらいなのかというチェックは手薄です。免疫に関係したものとしては、白血球の数や、白血球の中でがんやウィルス感染症をやっつけたりするリンパ球数があるのですが、こうしたものについて、これまでは申し分け程度にしか調べてきませんでした。そこで、メディコンパスクラブや東京クリニックのドックを受けられる方で、ご希望の方には、NK(ナチュラルキラー)細胞の活性を調べています。検査血液からリンパ球を採り出して、それをがん細胞といっしょにすると、がん細胞が死ぬんですが、それを利用してNK細胞の活性を測るのです。

免疫細胞療法とは

埼玉県立がんセンターによる、住民3、600人のNK活性に関する研究があります。NK細胞の活性によって、高い、中程度、低いというグループに分け、もともとは健康な人を11年間追跡調査すると、この低いグループの人たちだけが、ほかに比べて2倍ほど、がんの発生率が高くなっていました。免疫力が低いとがんの発生は高くなるんですね。
 また、大きながんができてくると、免疫力を抑制する物質がいろいろと出てきます。しかも、治療を始めると、手術によるストレスを含めた副作用から、免疫力はますます低くなるんです。がんの患者さんを調べてみると、健康な人に比べてNK活性は低い。ですから、生活習慣を改善しても検査で20%(注1)を切るようなら、何か打つ手を考えたほうがいい。
 ひとつの方法としては、NK細胞を培養してそれを点滴してやる方法があります。個人差もありますが、有効です。
 現在は、がんの標準的な治療が難しくなってから、このような免疫細胞療法を使う方が多いんですが、併用してまったく問題ありません。本来は再発予防に使うのがいい。また、がんになる前に利用してもいい。予防にせよ治療にせよ、外来でできる簡単な治療法です。お話をして、30から50Mの採血、あとは2、3週間くらいしたら来ていただく。この間にリンパ球を分離し、選択的に増殖活性をして、NK細胞をつくっておき、その点滴を20分位して終了です。
 自分の細胞ですから、副作用はありません。2週間培養すると、概ね細胞の数が1、000倍くらいに増え、活性も非常に高まります。点滴して入れるのはNK細胞ですが、それ以外のTリンパ球など、ほかの免疫細胞もぐんと活性が上がります。
 免疫細胞療法のひとつ、CTL療法を用いた臨床の一例では、体中の腫瘍がどんどん小さくなりました。残った部分を外科手術で取り除き、調べてみると、リンパ球が進入してがん細胞を壊していたということが、組織レベルでも確認できています。
(注1・値は検査機関によって多少変わります)

温熱療法(ハイパーサーミア)

温熱療法は、熱による作用です。一般に熱が出るのは、免疫系がウィルスなどと闘うスイッチをオンにするサインですが、そうした状況を物理的な熱を利用して局所に作ってやろうという考え方です。これはハイパーサーミアと言って、専門の学会もあり、保険診療も認められています。
 そのメカニズムは、42・5度以上にがん細胞が温まると、がんは弱って死にやすくなるという性質を利用します。局所的な熱でがん細胞を弱らせるのです。それと同時に免疫系が活性化します。腫瘍のところは直接的な熱で、血流もよくなり、抗がん剤の取り込みもよくなる。種類によっては6から7倍高くなる。そうすると標準的な治療をしていても、劇的に抗がん剤の効果が高まり、6分の1ほどの量でも標準量を使ったような効果が得られます。骨髄抑制などの副作用も起きにくい。まわりの組織でも免疫力が高くなる。だいたい40分ほど横になって高周波をかけることで体の深部が温まります。
 免疫細胞療法も温熱療法も、ともに身体的負担が少なく、副作用がない。外来通院で治療できて、初期から終末期まで、どんな局面でも繰り返し治療ができる。標準的な治療法と併用することでQOLを改善できる。再発転移の予防ができる。痛みが緩和できる。化学療法の副作用を低減できる。
 現在は、こうした治療法が標準的ながん治療法以外にもあるということを頭に留めておいて下さい。

 

 

 
 
| よくあるご質問 | ご連絡・お問い合わせ | アクセス | 個人情報の取り扱いについて | リンク | サイトマップ |
Copyright(C) 2008 Medi-Compass Club All rights reserved.